【代謝を上げる効果が期待できる食品6選】後編
- アプトルーム

- 10月20日
- 読了時間: 5分
ダイエットやボディメイク、そして日々の健康維持を考えるうえで、「代謝を上げる」ことは多くの方にとって重要なテーマです。トレーニングや生活習慣の工夫に加えて、食事の中で代謝を助ける食品を上手に取り入れていくことも、有効なアプローチのひとつです。
本記事では、代謝を上げる効果が期待できる食品を前後編に分けて6つ紹介します。それぞれの食品について、栄養学的な根拠や具体的な取り入れ方、注意点などを分かりやすく解説していきます。

④ 生姜|温め効果と代謝促進のダブルアプローチ
生姜に含まれる主な有効成分には、ジンゲロールとショウガオールがあります。ジンゲロールは主に生の生姜に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を持つことが知られています。こうした働きは、運動後の酸化ストレス軽減や、慢性的な炎症へのサポートにも有効と考えられています。
一方で、ジンゲロールは加熱や乾燥によってショウガオールという別の成分に変化します。ショウガオールには血管を拡張し、末梢血流を促進する作用があり、体温を内側から上げる働きが期待されます。この温熱効果は、深部体温の上昇につながり、代謝の活性化にとって非常に重要な要素となります。実際に、体温が1℃上昇すると、基礎代謝が約13%前後高まるという報告もあります。
また最近では、生姜の成分が褐色脂肪組織(いわゆる“エネルギーを燃やす脂肪”)の活性を高める可能性があるという研究も発表されており、代謝全体への影響が注目されています。
さらに、ジンゲロールやショウガオールには消化を促進する作用もあるため、食後の胃腸の働きをサポートするという面でも有効です。
生姜は体温を高め、冷えによる代謝の低下を防ぐ点でも非常に有効です。摂取方法としては、すりおろしてスープに加えたり、お湯に入れて生姜湯にしたりするのが取り入れやすい方法です。加熱によってショウガオールを引き出したい場合は、5分以上じっくりと煮出すのが効果的です。

⑤ シナモン|血糖コントロールから見る代謝の底上げ
シナモンには、シンナムアルデヒドという香り成分や、ポリフェノール類が含まれており、血糖値の上昇を緩やかにする働きや、インスリン感受性を改善する作用があることが知られています。これにより、インスリンの過剰な分泌や、脂肪合成の過活動を防ぎ、血糖の安定化を通じて代謝環境を整える効果が期待されています。
特に注目されているのは、シナモンの摂取によってインスリン抵抗性が改善されたという報告です。これは糖質の代謝がスムーズになり、エネルギーとして効率よく使われる状態につながると考えられています。その結果として、余剰な糖が脂肪として蓄積されにくくなり、体脂肪の増加を抑える方向に作用します。
また、シナモンは抗炎症作用や抗酸化作用も持ち合わせており、慢性炎症の抑制という点でも代謝の維持に役立ちます。炎症が慢性的に存在すると、筋肉量の低下や脂肪蓄積の加速など、代謝全体にマイナスの影響が出やすくなりますが、シナモンの持つ抗炎症成分がこれをサポートします。
摂取量としては、1~2g程度(小さじ1/2程度)を目安に、無理なく取り入れるのが良いとされています。過剰摂取は一部の種類のシナモンに含まれるクマリンという成分の摂取過多につながる可能性があるため、摂りすぎには注意が必要です。
摂り方としては、紅茶や豆乳、オートミール、ヨーグルトに振りかけるなど、日常の食習慣に合わせて取り入れやすいのも大きな魅力です。香りによるリラックス効果も期待できるため、ストレスによる過食傾向のコントロールにも役立つかもしれません。

⑥ リンゴ酢|脂肪合成抑制と食欲調整
リンゴ酢に含まれる酢酸には、脂肪合成に関わる酵素の働きを抑制する作用があり、体内で余った糖質が脂肪として蓄積されるのを防ぐ効果が期待されています。
さらに、リンゴ酢の摂取は食後血糖値の上昇を緩やかにする効果があり、これによってインスリン分泌の急激な変動を防ぎ、脂肪蓄積の抑制にもつながります。血糖の安定化は、日中の集中力や活動効率の維持にも好影響を与える可能性があります。
もう一つ注目されているのが、食欲の抑制効果です。酢酸は胃の内容物の排出を遅らせる働きがあり、これによって満腹感が長く続く傾向があります。結果として、食事の量が自然と抑えられることにもつながるため、過食傾向のある方にとっては食習慣改善のサポートにもなります。
摂取方法としては、水または炭酸水で5~10倍に薄めて飲むのが一般的です。食前に摂ることで血糖値の上昇を抑えたり、食欲を整えたりする作用がより得られるとされています。また、ドレッシングやピクルスなど、料理に取り入れることで自然な形で習慣化することもできます。
注意点としては、原液のまま摂取すると食道や胃の粘膜を刺激する恐れがあるため、必ず希釈して使用することが基本です。
おわりに|日常に「戦略的に取り入れる」ことが鍵
代謝は一夜にして劇的に変わるものではありませんが、日々の小さな積み重ねによって、着実に底上げしていくことができます。今回紹介した6つの食品は、どれも日常生活に無理なく取り入れられるものばかりです。
「何を、いつ、どのように摂るか」を少し意識するだけでも、代謝のリズムは変わってきます。無理なく続けられる形で、毎日の食事の中に少しずつ取り入れてみてください。その積み重ねが、体の内側からの変化につながっていくはずです。
本記事の執筆者:APTROOM豊岡店 東山英樹トレーナー
保有資格:NZCF Certificate in Personal Trainig/NZCF Certificate in Executive Training/NASM Corrective Exercise Specialist/NASM Performance Enhancement Specialist/NCSF Sport Nutrition Specialist


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