たくさん食べてるのに痩せているあの人の理由【食事誘発性熱産生】
更新日:2022年5月9日

ダイエットの為に食事の量を減らす、摂取カロリーを減らす。
間違ってはいないですよね。
では、同量カロリーの食事でも、その食事内容によってはダイエットの効果をより高める事が出来るという事をご存知ですか?
今回はそんな、ダイエット効果を高めることに繋がる【食事誘発性熱産生】について紹介したいと思います。
食事誘発性熱産生とは
厚生労働省(*1)によると、
『食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること。』
として、食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、
その一部が体熱となって消費されます。
このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。
この代謝の増加を食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)または特異動的作用(SDA: Specific Dynamic Action)といいます。』と記述しています。
簡潔に表現すると、食べたものを分解・代謝するのにエネルギー(カロリー)が使われ、その際に熱が発生して代謝が上がる事ですね。
■実際の生活にどのように作用していくのか
ここでオランダのマーストリヒト大学が発表した論文(*2)に掲載されたチャートを見てみたいと思います。

こちらのチャートは、縦軸は「代謝率」、横軸は「時間」で表され、一般的な1日3食の食事における代謝率の変動を表しています。(時間軸と平行の点線は安静時代謝率を表しています。)
このチャートを見ると、食事誘発性熱産生が毎食後に生じて、代謝率が上昇しているのが分かると思います。
そしてその後、数時間に渡って代謝率が高いまま移行しているのも見てとれると思います。
『朝食はちゃんと食べたほうが良い』とか『ダイエットのためには一日4~5食にすると良い』と言うようなことを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
そう言われる理由がこのチャートからも分かるかと思います。
■どれくらいのカロリーが消費されるの?
先程、食べたものを分解・代謝するのにエネルギーが使われると書きました。
それでは実際どれぐらいのカロリーが、この食事誘発性熱産生によって消費されるのでしょうか?
厚生労働省によると、食事の約10%程度としています。